先日、中学校での職業講話にうかがいました。そのときのことをブログに書いたのですが、数日後(おそらくブログを読んだからというわけではないと思いますが)、中学生の方からお礼のお手紙が届きました。
気持ちのこもった丁寧な筆跡と、率直でまっすぐな感想に、胸を打たれました。あまりにも心に響いたので、今回の取り継ぎをしてくださった先生に「こちらからも手紙を書いてもいいですか?」と確認し、快く了承をいただいて、一筆お返しを書くことにしました。内容はというと──「あなたの手紙!感動しました!本当にありがとうございます!」と、まさにそんな気持ちをそのままに。 それが、たしか1~2週間ほど前のことだったと思います。 今日、ふとスタジオで淹れたホットラテを飲みながら、その出来事を思い出しました。すると、なぜだか思考は“現在のフィットネス業界の構造分析”に向かっていってしまいました。笑 (きっとどこかでつながっているんですよね。) というわけで、ここから少し堅めの話になります。あまり関心のある方は多くないかもしれませんが、よかったらこのまま読み進めていただけたら嬉しいです。 さて、現在のフィットネス産業には、依然として根強く残っているアプローチがあります。それが「要素還元主義的アプローチ」です。 ……おおおおっと、なんだその言葉は!? と、私自身も最初は思いました。でも、もっと平たく言うと「何を変えるか」に焦点を当てたアプローチ、ということです。 たとえば── ・体を変えたい ・痩せたい ・痛みを改善したい ・効率よく運動したい といった具合に、目的に対して身体を“手段”として扱うような考え方です。 これは、今も確かに求められていること。だからこそ「そのニーズを満たす場」として、ジムが存在し続けているわけです。そしてジム利用者は「できるようになった!」「変わった!」と、外見や成果といった“目に見える変化”を得ることができる。 一方で、こんなニーズもじわじわと増えつつあります。 たとえば── ・身体だけでなく、心も整えたい ・深くリラックスできる体がほしい ・不調の“本当の原因”を知りたい ・自分で感じて気づきを得たい といったような、もっと“内側”に触れようとする動きです。 さらに── ・年齢や性別を問わず、自然な自分を取り戻したい ・今の自分を維持していきたい ・気持ちと身体が調和した状態で生きたい ・生き方そのものを見直したい ・しっくりと腹落ちする、自分という存在に安心したい そんなふうに、表面的な成果や外見だけでなく、意味や価値、そして存在そのものを含んだホリスティックな視点で身体を整えたいというニーズも、確かに存在しているように感じています。 だからこそ「ジムに行く」という行動の背景に、これまでとは違う理由を持つ人が増えているのかもしれません。 情報やテクニックだけでは物足りない、単なるトレーニングだけでは続かない…… そんな人たちが少しずつ、「何を変えるか?」から「どう在るか──そのために何を変えるか?」という意識へ、重心を移しはじめている。 成果ももちろん大切。 でも本当は、その“意味”に触れたくて、私たちはフィットネスを始めているのかもしれません。 子どものころのように、外の世界に向かって「なんで?なんで?」と問い続けるように。 大人になった私たちは、今度は“自分”という存在にそっと視線を向けて、「なんで?なんで?」と問いかけてみる。 ──そんな姿勢が、また新しい気づきや在り方を運んできてくれるのではないかと思うのです。 さて、着地地点はないブログですが、大丈夫でしょうか(笑)? “読み手に委ねる”という最近の日本のドラマのエンディングのような必殺技を出して筆を置きたいと思います。中学生のお礼の話という冒頭の布石を回収することなしにここで一度失礼いたします(笑) ですが、ここまでお付き合いいただきまして、ありがとうございました。 2025/04/04, Oita |
Author Wataru Soda Archives
4月 2025
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