今、長崎空港のビジネスラウンジでアイスコーヒーを飲みながら、ふと、これからはじまるヨーロッパ紀行を作成してみてもいいかもしれないと思い立ち、残りの充電が半分以下の状態のMac Bookを立ち上げた。今朝から忙しかった私とちょうど同じくらいかもしれない。
時刻は現在、夜の20時5分。これから羽田空港へ向かうところである。 この長崎空港は波が穏やかな大村湾の中に位置している。湾といっても、弓形にまがるような湾ではなく、ほぼ陸地に囲まれた、湖かと思うほどの形状である。 瀬戸内海、東京湾、そして伊勢湾は、その大村湾と比べるとその陸地に囲まれた割合の閉鎖性は比べ物にならない。繰り返しになるが、地図上で見ると湖かと思うほどだ。 さて、そんな長崎県本土の中央に佇む大村湾は滋賀県琵琶湖の半分の大きさである。琵琶"湖"と比べると、小さいように感じてしまうかもしれないが、目の前にするとその壮大な様は包容力に溢れている。 長崎から大分へ車を走らせていた高速道路から見えるその景色はいつみても力を感じさせてくれる。そして、私はこの長崎の海に育まれたのだという自覚をいつも持たせてくれる。アイデンティティの源泉は?と誰かに聞いてもらえたら、長崎の海だと言いたいほどに。 しかし、水深は季節によっても差はでるが、約15mほどであり、静岡県駿河湾の2500m、神奈川県相模湾の1500mと比べるとその浅さは群を抜いている。 広く浅くとはこのことか。 また、水深が浅いから外気の影響を受けやすい。そう、影響を受けやすい。そして、その寒暖差がもたらしてくれる恩恵がある。 ここ大村湾では、冬場に海水温が一気に下がることによって、美しい真珠できるのだ。海の色がそのまま真珠の色となり、ダイヤモンドと違ってカットをせずして、真珠は自ら光を発する。 世界的にも珍しい閉じた海域の大村湾は、大きくて穏やかな湖のようであって、美しさに満ち満ちている。 さて、ここまでつらつらと文字を書いてこれたのも出発便が1時間超の遅延したのだ理由だ。よく聞く搭乗機の到着遅れが理由とのこと。パリまで安全に連れて行ってくれるなら余裕である。全く問題ない。喜んで受け入れます。これからパリまでよろしくお願いしますと全員に挨拶したい勢いで。 ただでさえ、空港スタッフ、航空会社の方々は大変な中、遅延したくらいで夜の食事代まで出してくれた。 空港内で使用できるチケットの形で、荷物預け入れの際にフロントスタッフから受け取った。いつもは特に、空港では全く何も買うものはないが、しょうがないからカステラを買った。 明日の朝8:20発のフライトはシャルル・ド・ゴールまで直行便で14時間超となる。カステラのひとつくらいあってもいいかもしれないと思ったのだ。 すでに書いたように、長崎ー羽田、羽田ーシャルル・ド・ゴールまでの旅程を予定しているのだが、ここでひとつ新発見があった。 長崎空港で預けた荷物がそのままパリで受け取れるということだ。羽田空港で受け取る必要はなく。 当然と思うかもしれないが、それは、トランジットが当日中であればもちろんだと感じるが、今回は東京で前泊して早朝8:20のフライトに搭乗するのだ。つまり、夜を通して半日あずけたままとなる。この場合でも可能だという。今回利用するエアラインはどうやら24時間以内の預かりが可能らしい。これはとても快適なサービスであり、旅を一段と軽快なものにさせてくれる。 遅延の1時間、私にとっての創造性高まるレクリエーション(この文字を書くという行為)の機会に恵まれて、荷物まで運んでくれて、そんなに必要性を感じないカステラまで与えてくれるなんて。 いいスタートが切れそうだ。 さて、この最後のパラグラフを書いている今現在は、遅れたことになんの悪気もなく、のこのことやってきた可愛くて小さな飛行機にこの便の利用者が全員乗ったところである。私もその一人。 旅が始まった。 現在: NGS-HND |
Author Wataru Soda Archives
9月 2024
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