ようやくHND-CDG行きの乗客員全員の搭乗が済み、今はCAが最終確認となるであろう業務をされている頃である。
これから14時間半の空の旅が始まる。 旅はいつも多くの気づきがあるが、昨日は、乗り継ぎが翌日になる場合だったとしても同じエアラインであれば、最終地点までスーツケースをダイレクトで運んでくれるということを知った。 今朝の段階でまた新しいことを2つ知った。 それは、羽田の第3ターミナル(国際線)へ到着して、外貨を両替しようとした時である。 ターミナルへ到着したが、早朝ということもあり、比較的空いていた。その時点で既にオンラインチェックインを済ませていたことと、バゲッジの預け入れが長崎空港の時点で完了していたので、早々と保安検査場を通過しエアライン各社が運営しているラウンジへ向かった。もちろん、今回搭乗するところのラウンジへ。 4Fに位置する方か、5Fのスカイデッキと称する見晴らしの良い方のどちらに行くか迷ったが4Fにきめた。というよりも、一度5FをのぞいてみたがまだOPEN前だったのだ。しかし、結局は4Fのラウンジで過ごした後にスカイデッキにも行くことになった。そこで、ミニトラブルが起こったがここで詳述するまでもないかもしれない。思い出したら書いてみようという程度のミニさであった。 さて、その道すがら(セキュリティーポイントを抜けてラウンジへ向かう道中)、外貨両替所が目に入った。私はここで、出発前に両替をしておこうと考えていたことを思い出し、立ち寄ることにした。 前回、メルボルンに行った時はキャッシュを使用することはなかったほどに、現地での決済はクレカがメインであった。なので、毎度、それを行う必要はないと思うのだが、自宅にUSドルがいくらかあったので、まあ替えておくかという具合で係の人と挨拶をしてやりとりが始まった。 あちらは、私のことを、これから国外に向けて出発する人であるということは分かっているので、円から他のどの通貨に変換しましょうか、と想定していたようだったが、私がドル札を出したので、おやおや?という顔をしていた。ユーロでよろしくお願いします、とこちらから伝えたのだが、若干の神妙な面持ちをされた。というのも、この場合は一度、ドルから円に、そして円からユーロにという二度の両替となるという。その分、手数料なども必要となるため、現地に到着されてから両替することもおすすめします。とアドバイスをもらった。 そうか、ここはアメリカでもないし、フランスでもないからそりゃそうかと思った。そう、ここは日本。気持ちだけすでに出国していたかもしれない。 フランスでウォンからペソに交換したいと望む人がいたら、ちょっとよく考え直してみてください。ここはフランスですよと言うと思った。 なるほど。これは勉強になりました。到着後、現地で両替することは人生初だ。こういった小さな一つひとつの体験が楽しい。ただ、到着後に両替をすることを覚えているかが心配だ。 いや、今心配と言ったが、そこまで重要視してはいないと悟った。もし、両替所が、少し遠かったり、待っている人が多かったりすると一瞬で空港を後にし、滞在予定のパリのホテルまで向かうだろう。 両替を待つミニ達成感を味わう時間と、セーヌ川のほとりで、ルーヴル美術館やオルセー美術館を借景にしながらカプチーノを飲む時間とを考えて欲しい。 できればクロワッサンも。 いや、そうか、それを考えるとあの時に両替しておけばよかったかもしれない。そうすると時間も無駄にならなかったであろうに。まあ、いいか。 それが学び1である。両替は現地でやろうと。そして、もう一つ追加することがあるとすれば、現地で色々考えなくて済むようにしようということか。他にも何かあったが、すでに忘却の彼方へ過ぎ去ったので、こちらを学び2にさせていただこう。 さて、この機内にいる今は、東から登った朝の太陽が、私の右頬に向かって燦々と照らしだしている。眩しいが気持ちがいい。5Fのスカイデッキから見ていた美しく配列をなした飛行機も、今ではこうやって滑走路にゴウゴウと音を響かせたのちに宙に舞った。 昨日の悪びれるそぶりもなく遅れてやってきた小さくて可愛い機体と、今私が搭乗しているそれとを比べると頼もしさとスケール感がまるで違う。その差を一番感じるのは、これから飛び立つという瞬間のエンジンの出力が最も高まったときかもしれない。 これに合わせて私の旅への期待感も高まった。 そして、それはあっという間に心地よさに変わる。機体が風を切る音は胎児でいう母胎で聞いている音であり、幼児とってはなぜか落ち着くと言われる砂嵐音であるし、大人にとってはもしかすると飛行中の音かもしれない。かなり限定的なユーザーにとっては。 さて、さきほどラウンジで朝食をとったにもかかわらず(そう、冒頭のミニトラブルとは5Fで頼んだ朝食が、4Fに運ばれていたのだ。その間、まさに指をくわえていた。まではいかないにしてもちょっとまった)。これから1回目の機内サービスがはじまるという。サービスに体を合わせることなく体にサービスがはまるときだけ受け取るとしよう。 お心遣いは嬉しいが、飛行機に乗ったからといって2回目の朝食をとる必要もなければ、搭乗後すぐにお配りいただいているミックスあられを食べたくなることもない。お気持ちは本当に嬉しいと今一度謝意を評しながら。しかし、私が機内で朝食がでるということを事前に調べておいたり、朝食はスキップしますと前もって伝えておけば、フードロスへの取り組みも小さなアクションとして実行できたのかもしれない。 食事があることは、有難いのだ。 一方、こちらには、ただでさえいつ食べるかわからない、長崎空港で購入したカステラたちも自分たちの出番を今か今かと控えている。この調子だと、このこたちはヨーロッパの領空を超え凱旋門を眼下にしたのちに、カステラ発祥地のポルトガルと大陸をともにするフランスの地に降り立つかもしれない。 スポーツの世界で例えるならば、地元の子どもたちを本場の超強豪チームと対峙させるような気持ちになってきた。 さて、もう時差ボケが始まってきたかもしれない。少し眠たくなってきた。 現在: HND-CDG 上空 |
Author Wataru Soda Archives
9月 2024
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