-旅のスピードが加速している。ここフローニンゲンで過ごした3日間は言葉の通り光のように過ぎ去った。-
どこを切り取ってもユニークな体験と、深い学び、そして絶対的と呼べる人生への強い自信を手に入れて、この街を後にすることになる。しかし、どうやらまたこことは縁がありそうだとも感じている。街並みひとつ、買い物ひとつ、ホテルの滞在ひとつをとってもすべて流れるように自分の身体にそっている。そっているというのは板についているという意味で表現したいのだが、その場合は、他の何かを自分のものにしたという自分が主軸な印象を持った。しかし、ここで感じていることは、この街に自分が溶け込んだという状態の方が近い。初めからそういえば良かったか。 この後、朝食をとり、列車に乗ってアムステルダムへ向かう。 2時間くらいの旅だと思う。 ーーー 今調べてみると3時間であった。 となるとホテルのチェックインが2時だからその時間を目指して今滞在しているフローニンゲンのホテルを発てばいいだろう。それまでは、そんなに多くはない荷物を簡単にまとめて、本でも読もう。そのときに朝食会場からダブルエスプレッソを入れたコーヒーマグを持ってくることを忘れないようにしなければ。今は6:43。朝食は8時くらいでいいかもしれない。 ホテル滞在時は朝にしっかりと食べて昼はスキップし、夜は朝食会場から頂戴したりんごやラフランス、オレンジやバナナなどをその時々に置かれているものに応じてとっている。とにかく思考をクリアにしておきたい。あらゆる知覚が鋭敏でいることが感じられるから。 そうはいってもマーケットで何か買いたいなあと物色している自分はいた。しかし何も食べる気はせず、どんな物が置いているだろうという具合でウロウロしていた。街の中心部と思える広場に何十軒とテントを張って各お店が営業をしている。そこにきている人は実に多様で、このマーケットが街全体の人に利用され続け、愛されていることを感じ取れる。コーヒーショップもあり少しそそられたが、何せ何も入らない。ひとまずここをさろう。 広場から四方八方に伸びる路地の、一本の道をなんとなく決めて、そこへ進むと、そこにはオランダらしい古くからそおこにあるのだろうと思わされるショップがあった。チーズ専門店である。 そういえば、ホテルではやたらチーズが大量に、しかも種類豊富に置かれていると思った。そうか、ここはオランダだったかと納得した。ロッテルダムからフローニンゲンまでの列車の旅でも緑しか見ていない。しかも、オランダは山がない。見渡す限りの平野が広がっていた。目の前の視界のスペースが大きくひらけて、空を近く感じる。これは、街のつくりとも繋がっていた。街全体において、3階建てまでの高さ制限があり、自治体がうまく統制を効かせられているというか、機能しているともしれた。法律ではなく自治体のパワー。規則じゃ無いけどモラルの力。ひとつの街は色々な集合意識によってバランスを保っているのかもしれない。 さて、朝食までまだ時間がある。 読書に移ろう。 現在: Groningen-Amsterdam |
Author Wataru Soda Archives
1月 2025
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