-進化する腰痛-
腰痛診療ガイドライン 2012(南江堂)では, 腰痛の85%が非特異的腰痛である. そう記されていました. つまり, 85%はレントゲンなどの画像診断では判定できない. ということです. しかし, そのガイドラインも6年半の歳月を経て腰痛診療ガイドライン2019[改訂第2版](南江堂)という形で新たに策定されました. そこにはなんと, 75%以上で診断が可能であり, 診断不明の"非得意的腰痛"は逆に22%に過ぎなかった*1とあります. 今, 腰痛をどのように考えるべきなのでしょう. -腰痛の治療は安静よりも活動的のほうが有用である- 腰痛になったら動く気にもなれずベッドで1日を過ごすということもあるかもしれません. しかし, 実は上述の非得意的腰痛の方は, ベッド上安静よりも活動性維持のほうが疼痛(痛み)と機能の面でより優っていた. とうことがわかっています. 2017年に発表された米国内科学会(American College of Physicians : ACP)のガイドライン*2では急性期(痛みが出てすぐの時)から慢性まで, すべての腰痛患者に活動性を維持するように指導すべきと記載されているほどです. その他, 現在の最新のエビデンス(科学的根拠)が示す腰痛への理解としては, ①コルセットは腰痛予防に有効とは言えず, 靴に入れるインソールの腰痛予防への効果については, 効果がないとするレビュー*3 4 があり, ②インソールの使用は腰痛予防には推奨できないとされています. -多岐に渡る腰痛への対応- 腰痛にはよく聞くヘルニア, 脊柱管狭窄症, すべり症などの骨格の問題から, 神経由来の場合, さらには内臓/血管由来のものまであります. なので, 腰痛です. はいそうですか, ではこのエクササイズを行いましょう. などは絶対に行えません. それがちょっと長距離運転したらから腰が張っています. 程度のものならいいのですが, 強い痛みや, 長年の痛みの場合はまずは病院で診断をもらうところからスタートします. -Navigateではどうするのか- そうは言われても病院で何を言われたを覚えきれないことや, 理解が難しい時があると思います. そこで, Navigateではお客様と一緒に整形外科を受診するところから行っています. どんな状態なのか, どんな動きに気をつけながら行えばいいのかなどをお客様-お医者さん-トレーナーの3者間で話し合うのです. 病院にトレーナーを連れて行く!?え、それはちょっと,,, そう思われる方もいらっしゃいますよね. ですがこれ, そんなに珍しいことではなく, 至って普通のことです. トレーナーはお客様のお身体に責任を持って向き合う仕事ですので, ここからここまでしかしません!と変に割り切ってしまう方がおかしな状況だと考えています. そして私(早田)は整形外科が好きなので連れて行ってください(笑). できるだけ, ただのトレーナーではなく, プライベートトレーナーという位置付けでお付き合いをしていただけると嬉しいです. 今日もみなさんが身体の悩みから解放されてストレスフリーに自分の人生を歩んでいけますように. *1 Suzuki H, et al. Diagnosis and Characters of Non-Specific Low Back Pain in Japan: The Yamaguchi Low Back Pain Study. PLos One 2016 ; 11 : e0160454. *2 Rozenberg S, et al. Bed rest or normal activity for patients with acute low back pain: a randomized controlled trial. Spine(Phila Pa 1976)2002; 27: 1487. *3 Steffens D, et al. Prevention of Low Back Pain: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Inters Med 2016; 176: 199. *4 Sahar Tail, et al. Insoles for prevention and treatment of back pain: a systematic review within the framework of the Cochrane Collaboration Back Review Group. Spine(Phila Pa 1976) 2009; 34: 924. |
Author Wataru Soda Archives
1月 2025
カテゴリ
すべて
|