現在の時刻は13:56となっていた。このトロべローグもこれで最後にしようと思う。
先ほど、ホテルの清掃の方がルームサービスに来てくれた。そこで、取り掛かったいた読書とリサーチノートの制作を一度止め、邪魔にならないところに移動して、窓から外を見ていた。英文学術書の読み方と、リサーチノート(研究ノート)の取り方、それに付随する価値ある暗黙知を多く学べたのもこの旅が始まりだった。きっとではなく、革新として、これらは私のライフワークとなるだとう。 あっという間に、部屋がもう一度新たな状態へと整った。といっても、ゴミを捨てていただくことと、タオルの交換のみだったので早かったのだろう。 そして、読書に戻る前に、このタイミングでふと思い立ち、今一度、文章を書き始めることになった。思えば10日前の長崎空港でもそうだった。ふと思い立ちふらっと始める。これまでにも、このような感じで多くのことを始め、多くのことを忘れ去ってきたように感じている。 今朝は早朝からただただ2時間ほど音楽を聴いて、これまでの旅を振り返っていた。真面目に黙々というよりも、自由連想的に思い詰めることなくポツポツと。そうこうしていると空腹感が出てきたので、のそのそと朝食会場に向かっていった。8:00~10:00と聞いていたので、ちょうどいい時間だった。しかし、私は朝食を予約していなかったようで、係の人から、予約していなくても大丈夫ですよと伝えてもらったが、ちらっとメニューを見て、もしかすると今は外にでて調達する気分かもしれないと思い、ホテルを後にした。なんせ朝からずっと固まっていたのだ。身体も思考も。散歩や気分転換になっていいなと思った。時間もほどよく、8時を回ってお店がオープンする時間と重なった。と思っていたが、パン屋やカフェといったところは全く空いておらず、今回の旅では何度もお世話になったスーパーマーケットのAlbert Heijinに立ち寄った。こちらは8時OPEN。出来立てのパンとコーヒーとオレンジジュースを脇に抱え、ホットコーヒーを飲みながらホテルまで戻った。早朝は気温が9度くらいだったので全身に染み渡る。 すると、気がつくと今が14時ときている。何をしていたのだろうか。頭のみを動かしたことは随分と久々のようだ。いや、こんなこと、かつてあっただろうか。脳に負担がきているということではなく、ずっとクリアに思考は周り続けていたにもかかわらず。 さて、今回の旅で、私はきっとアムステルダムの街並みを見にいくことはない。なんせ、もう旅に大満足をしてしまったからだ。一度で吸収できる栄養は限られている。満腹なのだ。 なかでも、私の旅が実りあるものになったのは、ロッテルダム-フローニンゲンの間であった。ロッテルダムではアニマルフローの講習会を受け、世界中の人々と共に学び合い、励まし合うことの喜びを全身で感じ取れた。トレーニングはこういうところがいい。ただの座学ではなく、身体感覚として参加者全員が共感し合える。チャレンジを応援し、成果にかかわらずその姿勢を褒め称える。最高の世界。そして、上手くできるまできちんとサポートし続ける。待つということ。待つにもあらゆる次元があり、私の知らない風景をまじまじと見せてもらえた。トレーナーというくくりだけではなく、私個人の人生にも大いに影響を与えてもらえる時間となった。 そして、ロッテルダムの滞在時には本当に多くのことを語らせてもらい、学ばせてくれる時間に恵まれた。以前よりお世話になっていた、現在オランダ在住の知性発達学者の加藤洋平先生と共に過ごせた時間はどれだけ感謝の気持ちを伝えても終わることはない。むしろ、私は、与えてくださった学びの広さと深さに対して、まだ、感謝するところに気がつけないほどである。きっと、私が感知していない部分でのご配慮と無条件の愛を注いでくださっているはずである。こんなこと、自分にできるだろうかと考えたとしても、想像できないほどに。きっとこの感謝の気持ちは、私が成長できたときに初めて感じることができるのではないかと想像する。その時に私は何を還そうか。自分自身が世の中にどう貢献するかなのか、または教わったことを他者に伝えるのか、そんなことはまだずいぶんと先にふと思い立った時に思案していくものでいいのかもしれない。まずは、自分が爆発的に成長しなければならない。そして、そんな成長に対して、楽しいことなんですと思わさせてくれた。自分の学びと成長がこんなにも楽しいものだったのかとは、自分自身が知らなかった。学者であり、実践者であり、人格者である方とともに過ごせた時間は、私の心と霊性にも刻まれているはずだ。きっと、ここでは、学んだことの具体例を挙げる必要はないと思う。それは、私の実践でどこかに波及していくことのように思えるからだ。 朝にアルバートハインで購入したコーヒーも、あっという間に冷えてしまった割には、案外美味しく感じられていた。しかし、とうとう飲み切ってしまった。次のコーヒーは明日の朝まで楽しみにしよう。 日本も冷えてきているのだろうか。 Fin: Amsterdamより溢れるほどの感謝と尽きることのない愛を込めて。 |
Author Wataru Soda Archives
12月 2024
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